しとろんのなかみ。

作った曲について、とかとか。

"盲目" 「LOUPE『Q』」制作秘話

今だけはなんにも見なくていいよ

 

どうも、しとろんです!

先程の記事の続きといえば続きだし、そうでないといえばありません!

何はともあれ聴いてくださった皆様に、多大なる感謝を。

 

 

こちらでは、梅雨前線さんの素敵な歌詞に作編曲という形で参加させていただきました。

正直半年以上作ってたので、もはやゲシュタルト崩壊して何が何だかみたいになってますが!それでも!ここはこだわった!というところをお伝えしていこうかなと思います!

 

 

0:04 心電図とモールス信号

はい!まずどしょっぱな!

これを思いついたのは大きかったですね。自分の中の世界観が一気に定まりました。

今までこういう効果音系は使ったことがなかったので、こういうのも勉強になったことの一つですね。段々とぼやけた暗い視界が開けていくのが、動画でも表現できて、個人的にはとても満足です。

ちなみに、モールス信号は「SOS」という文字を打った音になります。気づいた方おられますかね?笑 あの、ガチャガチャンみたいな音です。

歌詞を戴いた時から、これには何か縋ろうとするような必死な気持ちが僕には感じ取れて、なので足してみました。なのでタイトル命名していただくまでは、ずっと仮タイトルが「SOS」でした。ここだけの話です(んな需要ない)

 

0:07 Aメロ「暗い暗い」の飛躍進行

暗い暗い暗い中で目を閉じてみたら(中略)

丸い丸い小さなわっか作ってのぞいてみたら

「ここ、めっちゃ繰り返すなあどうしよう」と最初に悩んだ記憶があります(秋頃)。

ちょっと専門的にはなりますが、ここは「ラーソ#ファ#」の繰り返しから始まってます。Cのキーに直すと、「ドーシラ」です。これ実はとても不安定なメロディなんですよね。

よくポップスで使われる飛躍進行は、どっちかというと「ドーラソ」。

きゃりーぱみゅぱみゅさんの「はーたーちーはたちはたちはたち」や、天体観測の「君の震える手を」の「きみのふるえ」のところとかは「ドーラソ」です。かなり気持ちいいメロディなんですよね。安心感もあります。

でも、ここではそれをあえて外して、この曲の不安定さを出そうといったあぷろーちでした。

 

00:54 「もしかもしかして」の臨時記号

ここは本来なら使われていない音階が使われています。

「もしかして」の「か」の部分ですね。

臨時記号は他にも出てくるんですが、個人的にこういう風に使ったことはなかったので、新発見でした。そして奇しくも、「ブーゲンビリアの花束を」でも結構臨時記号出てくるんですよね、しれっと。

だから曲調はかなり違いますが、意外と同じようなものを表現しようとしたメロディになったんじゃないかと思います。解釈の一致ですね。笑

 

1:57 突如現れる電子的なパーカッション

二番のAメロは、本当に苦戦しました笑

アレンジもそうだしメロディもですね。梅雨前線さんはかなり文字数や小節をきっちり揃える方ではないので、「どこまでがどこ?」みたいになってました。結果「ああなんにも」を2回繰り返したり結構無理な構成になっちゃってます汗汗

そんな中、1番とメロディ変えるんなら何かアレンジも工夫したいということで。

ずっと他の部分では生音系の(しかも最近買った有料音源、この曲で初お披露目)ドラムを使っていたんですが、ここだけ電子っぽい、なんでしょうEDMっぽい?音を使ってます。曲のいいアクセントになったかな~と思いつつ。

皆さんもそれを意識してまた聞き直してほしいですね。

 

2:24 ピアノがオシャレ

オシャレがピアノしてますよね、現場からは以上です。(は?)

特に2:35からのめっちゃよくないですか。すごいすき(以上じゃなかったのかよ)

 

2:46 落ちサビの落ちメロディ

実は僕がスランプに陥ったところがこの落ちサビです笑

かっこよくピアノで切ったはいいものの、どう繋げても上手くいかず……。多分ここで半年くらいかかってます(それは言い過ぎ)

まあそんな苦渋の落ちサビですが、メロディは本当に好き。

どこかと言いますと、「もうなんにも見たくないのに」ですね。

1番では「ないやいや」なんですよここ。絶対同じメロディじゃ駄目じゃないですか。1番ではかなり上がるメロディにしましたが、ここでは落ちていく落ち着いたメロディになりました。

奇抜なメロディじゃないんだけど、この歌詞ぴったりのメロディを見つけた時もまた作曲の楽しい瞬間ですよね。

 

2:58 2サビ限定のピアノ

ここ、1番や3番のサビとは違うフレーズが裏で鳴ってます。個人的にオシャレにできたな~と思ってるので、良かったら聞いてみてほしいです。特に3:04から駆け上がっていくとこ好きです。(誰かここすきってコメントして爆)

 

3:40 転調!!!!!!!!!!

このへん作ってたのは本当につい2週間前くらいなので記憶に新しいですね笑

この転調、割と「とりあえずやっちゃえー」的な感じでやったら「え、えもぉ」となったので採用しました。ちょうど間奏からずっと鳴ってたピアノが半音上がるとこ、めっちゃ鳥肌立ちません? ベタだけど、いいよね。転調は軽率にすべきだと思いました、まる。

3:55 「あなた」にいつか届くといいな

3番のサビは、やはり梅雨前線さんの持ち味と言いますか、綺麗でかつ優しい歌詞なんですよね。前のサビとかもう死にすぎてと言ってたじゃない!って思うんですけど、最後のサビにこういうの持ってかれると弱いんですよね僕。(inferior to ()という曲の最後のサビもそういうとこある)

なのでここのメロディも変えるべきだと思って変えてみました。

どうでしょう?解釈一致してますかね?(主に梅雨前線さんに聞いてる←)

個人的にはここだけふっと明るく陽が差すような、でも切ないままのメロディにできたなと満足しています。

 

4:17 ピアノとバイオリンの畳みかけ!!

ここね。

徹夜で作ってたんだけど、うおおおおんどりゃあああああああああああ!って叫びました。嘘です。いやでも、編曲って楽しいんだ!!って、この辺でやっと思い出しました()

最後、メロディで臨時記号を使うのは決まってたんですけど、コードが決まってなくて。どうしようかなーなんて思って、とりあえずピアノを考えていたら……。

こーんなに上昇していくフレーズとコードが思いついてしまったのです。

コード的には「D E F G A」と、メジャーが5つ並んでいる形になります。ここの浮遊感がとにかく気持ちいい。そして、そのあとのバイオリン、すこ(自分で言うな)。

4:16くらいからのバイオリンに注目していただけると嬉しきです。

 

4:21 危ういエンディング

急に底抜けに明るくなっちゃいませんでしたか?と心配したそこのあなた。そのハッピーエンドはフェイクです。

いまだけはなんにも見なくていいよ

このメロディ、実はド(基準の音)で終わってないんですね。シで終わってるんです。とても中途半端で未解決な終わり方をするんですよね。これを考えた時は興奮しましたね。

そして、ここから冒頭にもある心電図のアイデアが生まれました。

こんな中途半端な終わり方したメロディに更に、心電図の音が途切れたら超意味深ですよね。

この歌詞、実際に梅雨前線さんに確認したわけではないのでもしかしたらイメージとずれてしまってるのかもしれないんですが💦 

でもこの歌詞を、「ただ優しい語り掛け」にしたくなくて。それは、何か危うさを持った許しだったり、甘えだったり、諦めだったりするのかなと僕は解釈したので、こんな終わり方になりました。

 

やっぱり「盲目」という言葉は軽くテーマに選んじゃいましたが、一筋縄ではいかないものだと思っているので、ただ善いもの、悪いもの、とはあまり断ずることは出来ないのだと思います。

なので、この曲もただ明るいもの、暗いもの、と分別しがたいものにしました。

 

梅雨前線さんの書いた歌詞がより伝わるような伴奏になっていたら何よりですね^_^;

 

最後に

改めて、コラボとはすばらしいなと思いました!

まあなにより梅雨前線さんとできてよかった!

途中スランプで苦しかったけど!待たせているのが心苦しかったけれど!!

それも今となっては、とにかく安堵&安堵という感じです!

 

もしよろしければ、梅雨前線さんの他の曲も聴いていただきたいですね!

個人的おすすめは「d e a r .」「he(llo)ro」「さよなら僕らの夏」の三本です!
www.youtube.com

 

それではまた見てくださいね!

これからもよろしくお願いします!それでは!!